強制わいせつ罪 ４７年ぶり、判例変更「性的意図は不要」最高裁初判断

強制わいせつ罪ってご存知ですか？

刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて
わいせつな行為をした者は、6月以上10年以下
の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした
者も、同様とする。

女性を脅迫して裸にして撮影するなんて
当然強制わいせつ罪となるように思いますよね。

ところが、 昭和45年1月29日最高裁判決では
 強制わいせつ罪が成立するためには、その行為が犯人の
性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図の
もとに行なわれることを要し、婦女を脅迫し裸にして、その
立つているところを撮影する行為であつても、これが専ら
その婦女に報復し、または、これを侮辱し、虐待する目的に
出たときは、強要罪その他の罪を構成するのは格別、
強制わいせつの罪は成立しない。

要は犯人がわいせつ目的でなければ強要罪などで
裁くべきだというんです。

第223条（強要罪）
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を
加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、
人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を
妨害した者は、3年以下の懲役に処する

１０年以下の懲役刑が３年以下になってしまいます。

襲われた女性にとって犯人がどんな目的だろうが
心の傷を負うような犯罪はその行為自体が問題
ですよね。

こんな最高裁判例がずーっと続いていたんです。

その後、こうした最高裁判例に従わない下級審での
判決はいくつかありましたが、ようやく決着がつき
ました。

強制わいせつ罪 判例変更「性的意図は不要」最高裁初判断

　強制わいせつ罪の成立に「性欲を満たす性的意図」が
必要かどうかが争われた刑事裁判の上告審判決で、
最高裁大法廷（裁判長・寺田逸郎長官）は２９日、罪の
成立に加害者側の性的意図は不要とする初判断を示し、
被告側の上告を棄却した。被告に懲役３年６月を言い
渡した１、２審判決が確定する。

１５人の裁判官全員一致の判決でした。